今回はHUAWEIの完全ワイヤレスイヤホン、HUAWEI FreeBuds Pro 2をご紹介する。ちなみに使用期間はおよそ1週間、毎日最低でも2時間ほど利用した。
HUAWEI FreeBuds Pro 2を簡単にまとめると
- HUAWEI製の完全ワイヤレスイヤホン、同社の中では最上位モデル。
- HUAWEI製イヤホンの中では珍しいLDAC対応。ハイレゾ音源の再生も可能。
- 前作から引き続きノイズキャンセリングにも対応。カナル型。
※公開当初、初のLDAC対応製品と記載しましたが、実際はFreeBuds 5iが先にLDAC対応しておりました。修正してお詫び申し上げます。いや、廉価グレード製品が先に対応するなんて普通思わねぇじゃん。
良かった点
- 音質
- ノイズキャンセリング
- マルチペアリング
- HarmonyOS(EMUI)との連携性
正直なところ、2万数千円する以上、まともに使えるのは当たり前だと思っているので、特筆するほどでもないのだが、敢えて挙げるなら上記の通りかなと思う。
音質に関しては流石に廉価版のイヤホンなどと比較すれば違いはハッキリ分かる。今回は主にSpotifyの音源を再生していた関係上、ハイレゾである強みというのを実感してはいないものの、圧縮されている音源でもしっかり音の差は感じられる。
筆者のクソな耳ではそこまで語ることは出来ない物の、楽器の一つ一つがより鮮明に感じられるような解像度の高さを感じることができた。かつ、それら全体がバランスよく耳に入ってくることで正に音を楽しめる、最高の音楽体験をできているように感じた。
頑張って書こうと思ったものの、音質に関してこれ以上語るのは筆者の語彙力では無理であると判断したので、各メディアのレビューをググってほしい。
ノイズキャンセルは前作である第一世代のHUAWEI FreeBuds Proと正直大差があるとは感じなかった。電車でもバスでもパチンコ屋でも適度にノイズキャンセルされているように感じられた。特に無音時でホワイトノイズというか耳に刺さるような感覚があったので好き嫌いは結構分かれるかとは思う。
マルチペアリング機能はその名の通り。PCとスマートフォンなど2つの機器と同時に接続が出来る。そして音が再生されているデバイスに自動で接続が切り替わる。
例えば他のスマホやスマートウォッチで音楽を再生中にスマートフォンに電話がかかってきた場合、シームレスに着信中のスマートフォンへ接続が切り替わりそのまま通話ができる。といった感じ。タブレットと組み合わせるのも悪くないだろうし、様々な使い方が出来そうで便利だとは感じた。
HarmonyOSやEMUIとの連携性に関しては言うまでもない。初期セットアップは端末の近くでケースを空けて、ポップアップ表示されるペアリングの確認画面で“接続”をタッチするだけ。その後、初回のみ使用方法のチュートリアルが表示されるのも個人的にはありがたいと感じた。(細々と機能が変わったり追加されたりしてるので。)
また、コントロールパネルからノイズキャンセリングのON/OFFや再生デバイスの切り替え、電池残量の確認が出来るので、いちいちAiLifeアプリから操作する必要もない。
音量調整などの細かなところのUIもFreeBuds Pro 2仕様になるのがオタク心をくすぐるといったところだろうか。
良くも悪くもない点
- 電池もち
- ワイヤレス充電
- 接続の安定性
- 形状
- デザイン
電池持ちに関しては正直なところそこまで良くはない。公式ページには最大6.5時間と記載されているが、所詮はベストエフォートなので個人的な感覚ではノイズキャンセリングOFFで4~5時間といったところだろうか。(音量は端末側で75~80%に設定)
さらに、当たり前ではあるがノイズキャンセリングをONにすればさらに電池持ちは短くなるので、その辺は注意が必要だ。2時間ほどの再生で残30%なので3時間前後といったところだろうか。
例えば、通勤時間、休憩時間、帰宅中といった感じで間隔を空けつつ1~2時間利用する程度であれば問題ないとは思うが、がっつりと長時間音楽を聞き込むのであれば他の製品を検討する余地はあるのではないかと思った。
また、電池残量に関して言えば左右で結構ばらつきが生まれるのも気になったポイントだ。おんなじ時間使用しているのに片側のみ数%少ないみたいなことが結構な頻度で起こった。
次に、イヤホンにワイヤレス充電が必要なのかという点。筆者は不要派で、これまでも何回かワイヤレス充電に対応しているイヤホンなどを購入してきたが、試用を除いて実際にワイヤレス充電をした機会がないからだ。
スマートフォンからワイヤレス充電できるおすそ分け機能の使用例として登場しがちなワイヤレスイヤホンだが、しっかりとおすそ分け充電をするためにはスマートフォンを画面が下向きになるように置かなければならず、それなりの時間スマートフォンが使えなくなることになってしまう。これのどこがスマートなのか。
もちろん、必要な人にはうれしい点なのかもしれないが、正直なところワイヤレス充電に対応することでコストがどれくらい変わるのかによっては必要ないのでは…?と思ってしまうのである。
また、発生頻度はあまり高くはないものの、接続の直後に左右で音がずれたり、音が途切れることは数回あったのは確かだ。接続直後あたりに発生しており、それ以降は安定して利用できた。詳細な発生条件は今のところハッキリしていないのでおま環の可能性はあるが、懸念点ではある。
そして形状。これは最も個人差のある点ではあるものの、筆者はこれまで数機種のHUAWEI製TWSイヤホンを使用してきたが、耳の形状にあってなくて長時間の使用によって耳が痛くなることが多々あった。
例に漏れずHUAWEI FreeBuds Pro 2も筆者の耳には合わず、長時間使うと相変わらず耳が痛くなる。電池持ちが短いおかげで耳が痛い時間も短くて済む。 またイヤーピースを変えたり色々と試行錯誤はしたものの、効果的な対処法は見当たらず自分の耳には合ってないんだろうなという感想。
また、イヤーピースに関しては形状が特殊な為、サードパーティーのものと交換できるのかどうかに関しては不明。試していないのでノーコメント。
そして、相も変わらずテッカテカなデザイン。個人的には大っ嫌いだ。
悪かった・微妙な点
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操作性
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操作音
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音質
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Android版AiLifeアプリ
まず操作性に関して。HUAWEI FreeBuds Pro 2ではイヤホンの俗にいう”うどん”の部分をつまむ/2回連続でつまむ/つまみ続けるといった操作で再生や停止、次/前の曲、通話への応答、ノイズキャンセリングのON/OFFを操作できるのだが、このつまむ操作に関しては正直なところあまり使いやすいとは言いづらい。
例えば同社のHUAWEI FreeBuds 4では”うどん”部分をダブルタップ/長押しで操作ができる。こっちの方が確実に使いやすいと感じるのは筆者だけだろうか。
また、音量の操作は”うどん”部分のスワイプで上下できるのだが、うどん部分が短いために操作がしづらい。これは正直仕方ないと思うが。
なお、これらの操作に関してはAiLifeアプリから機能を使用する/しないの変更は出来る。大半の機能に関しては割り当ての変更は出来ないため、その点には注意が必要だ。
そしてノイズキャンセリングON/OFF時の音声がいちいちウザい。イヤホン上でON/OFFしたときに流れるのは百歩譲って理解が出来るが、アプリ上からのON/OFFでも毎回毎回「ンノォイズキャァンセリィング」「ンオォフ」とネットリ女性ボイスが流れる。そもそも、こういった音声案内自体をOFFに出来る機能をアプリ上につけるべきでは?
そして音質。敢えて悪い点にも入れたのだが、理由はデフォルトでの設定が低音強めの設定になっているからだ。イコライザー機能がAiLifeアプリ内にあるのだが、4つあるプリセットの内、”デフォルト”が結構低音強め。そのほかのプリセットも正直どれもピンと来なくて結局のところ自分でカスタムをしなければならないという面倒くささ。結局、一週間使っても最適な設定が見つからず、なんだかんだでデフォルトの「Treble boost」が一番まともな気がする。そもそもデフォルトはもう少しフラットな感じでよいのでは?と思うのだが、筆者の貧弱な耳と語彙力ではこれ以上不満を文章化するのも面倒なのでこの辺にしておく。
そして最後に。米中の云々のおかげで、Google Playストアではアプリの新規配信をすることが出来ない。そのためHUAWEI FreeBuds Pro 2を設定したりファームウェア更新する場合はapkファイルでAiLifeアプリをインストールする必要がある。セキュリティ的にも手間的にも最悪である。(なお、ペアリングするだけならアプリは不要だ。)
総評と個人の感想
多分、HUAWEI FreeBuds Pro 2を買おうか検討している人の90%はWF-1000XM4やAirPods Proの方が満足できる気がする。ちなみに、ヨドバシカメラなどの家電量販店では取り扱っておらず、実機を試そうとするとe☆イヤホンに行く必要がある。もう諦めて先述の2機種を買えばいい。悪いことは言わないから。
※ここから先は技術的な知識がない筆者がネットの知識を鵜呑みにしながら書いた誰にも役に立たない文章なので読まなくても何の損もしません。(本文に組み込みたかったけど正確な情報の収集と知識の吸収が面倒になったのでおまけに回しました。ゆえに正確性の保証はありません。)
ちなみに、HUAWEIは2018年にHWA(High-Res Wireless Audio)というLHDCをベースにしたコーデックを発表している。これは同年に発売されたHUAWEI P20 Pro以降のHUAWEI製スマートフォンでサポートされているのだが、対応しているイヤホンやスピーカーが極端に少なく、公式ページに記載されているのはFiio社のポータブルBluetoothヘッドホンアンプ、BTR3のみという始末。
実際はゼンハイザーのIE80Sという製品のように対応をうたっている製品は存在するが、公式が発信する情報があまりにも不足している、というよりも更新がかなり前から停止している(?)ために確認のしようがない。


なんで唐突にこんな話を?と思われるかもしれないが、HUAWEI FreeBud Pro 2の製品ページや製品パッケージにはHWAのロゴマークが登場してくるのだ。HUAWEIのオタクとしてはスマホもWi-Fiルーターもウェアラブルも…そしてBluetoothのコーデックも可能な限りHUAWEIに統一したいじゃないか。
そしたら、LDACでは接続されるがHWAで接続することが出来ない。親機であるHUAWEI P30 ProはもちろんHWAに対応していることを確認済み。HUAWEI FreeBuds Pro 2側の問題なのかなと公式サイトを確認してみると…
Bluetoothコーデック:LDAC / AAC / SBC
と記載されてまして、どうやらHWAのコーデックへは対応していない模様。なんでだよ!パッケージとか公式サイト記載のHWAはなんなんだよ!
まぁ、LDAC対応しとけばHigh-Res Wireless Audioだから…。
~完~
(?)
探求心の赴くままにネットでもう少し調べていたらHUAWEIの中国公式サイトにはこんな記載がありました。
HUAWEI FreeBuds Pro 2 支持华为 L2HC 及业界 LDAC™ 双高清音频解码,获得 HWA 及 Hi-Res 双金标认证,率先实现 HarmonyOS 及 Android 双生态高清音频传输,传输速率最高可达 960-990 kbps,还原更多声音细节,呈现纯粹的高保真音质。
これを翻訳すると以下の通り。
HUAWEI FreeBuds Pro 2 は、Huawei L2HC および業界 LDAC™ デュアル HD オーディオ デコーディングをサポートします。、HWA とハイレゾの ダブル ゴールド スタンダード認証を取得し、HarmonyOS と Android のデュアル エコロジカルな高精細オーディオ伝送、伝送速度を初めて達成しました。最大 960 ~990 kbps で、より多くのサウンドの詳細を復元し、純粋で忠実度の高い音質を提供します。
L2HC…?と思って調べてみると下記の通り。(※翻訳後の文章)
L2HC は、より高い帯域幅と適応ビット レート (320 kbps ~ 960 kbps) を提供する Huawei 独自の HD オーディオ コーデック形式です。低遅延、固定ビット レート、強力な干渉防止機能、高い信号対雑音比 (SNR)、および広いダイナミック レンジを特徴としており、最適化された音楽ストリーミング エクスペリエンスをユーザーに提供します。
もうこれ以上調べるのが面倒になってきたので、この辺で良いですかね…。
参考にしたページ
av.watch.impress.co.jwww.chinadap.com
今度こそ完。